診断結果
「残高さん、ここを見てください。」

白黒のフィルムと同じようなものが電光板に貼られ、透けて見える私の足であろう輪切りの画像が何十枚とあります。医師が指を示すところを覗き込むように凝視しました。
「関節のこの部分、脛骨顆部と脾骨顆部、つまり関節同士がお見合いをしている部分が上下両方ともつぶれています。」

なるほど、関節の頭頂部のようなものが上下でお見合いをしているのは判りました。
「これは骨折です。」
「ゲッ!!折れてるの???」と心の中で叫びます。
「その割にはあんまり痛くはなかったなぁ・・・。潰れてるけど治るの???」
「そして、この脾骨の上にダラーっとしているものがあるでしょう。これは前十字靱帯というのですが完全に切れて落ちています。完全に先っぽがあるのが見えるでしょう。靱帯が骨にくっついていたら先っぽは見えないからね。そして、膝を触診した時に、左外側に簡単に足が曲がっていきます。ほら、反対の足は外側には動かないのにこっちの足はこんなに反るでしょう?」

そう言いながら私の両足を交互に右左に動かして見せます。
たしかに左膝がかなり外側に簡単に曲がっていくのが判ります。
じっとしてても起きるような痛みはいのですが、側副靱帯が伸びていると言われているあたりは触るとパンパンに腫れたような痛みがずっと残っています。

「これは側副靱帯といいますが、ここが正常な状態よりもかなり伸びています。戻りがなくなったゴムのような状態です。膝の横を支えるものと前に落ちないようにするものがなくなっている状態です。」
「骨折は、卵の殻の頭が潰れたような状態ですが、とくに何もしなくてもじきに治りますけど、靭帯は手術をしない限り一生治りません。」
「手術がいるのか???????骨折の方はいいんだ・・・。」
「靱帯は完全に切れてしまっているので保存療法もできないけれど、じき萎れて退化していくだけだから半年後には消えてなくなっています。」
「この場合周りの筋肉を鍛えて靱帯の代わりに支えるリハビリをするか、腿のあたりの筋肉を何本かとって膝に移植する手術をするかのどちらかしかありません。」
「腿の筋肉を取るんだ。」
「どちらにしてもスポーツとか特に急いで治す必要もない場合は、1年経過観察をしてから決めたらいいですから気長にリハビリを続けていきましょう。靱帯が緩んだ状態なので、その緩みで半月板を傷つけてしまったり、さらに靱帯を伸ばしてしまったりしかねないですので、まずは周りの筋肉を鍛えていくトレーニングになります。」
「靱帯再建術は手術としてはそんなに難易度は高くないのですが、その後のリハビリが、とてもつらい『1年』になります。」

「1年????????!!!!!」
「もしかして、けっこう重症だったのか????」
「1年はそれだけの入院生活になります。」
最近仕事に限界を感じていたころだったので、ほんの1~2か月休養がとれる程度の怪我でよかったのです。
先生の話を聞いていると、もしかしたら再起不能???
最低でも1年間はかかる???入院???その間の収入源は???
そんな気がしてきました。
「やばい、今一番お金のない時なのに・・・。」なんか、予想もしない展開に驚いていました。

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