自動車保険(任意・自賠責保険)のはなし(17)

慰謝料

 私が損害保険会社と交渉をしていたのは「慰謝料」の話です。すでに入金となっている75万円は後遺障害に対する補償金です。これはこれで異議申立中です。

 「損害賠償」というのは、読んで字のごとく「損害」というものが発生し、その埋め合わせとして「賠償」すなわち「填補」することを問題としています。

 ところがよくこれを言葉として「慰謝料」と混同して使用する人を見かけます。

 アメリカの損害賠償請求訴訟で、熱いコーヒーを提供したから50億円支払えといった、有名なハンバーガーショップ相手の訴訟がありましたが、アメリカ法では懲罰的損害賠償という考え方があり、ただ損害を填補させるだけでなくお仕置きをしてやる、といった請求が認められる事案が多数存在します。これは、もとはイギリス法の考え方がアメリカ合衆国にも踏襲されたものなのですが、加害行為に対して非難されるべきという国民の同意の下で、損害に対する填補としての賠償を認めるのみでは、その抑止効果が十分でないとされるべき場合について適用になっています。

ハンバーガー

 一方「慰謝料」というのは、不法行為(故意または過失によって他人の権利を侵害し損害を発生させる行為=わざと相手を傷つけようとしたり、相手が傷つくとわかっていながら何もしなかったりする行為、少し気を付ければ防げたかもしれない行為)に対して、不法行為の結果としての「損害賠償」と、たんに賠償させるだけでは気持ちが収まらない被害者救済のための、損害賠償とは別枠の考え方となります。そのため、物に対する不法行為で、その物の原状回復が行われた場合や、債務不履行による損害賠償には「慰謝料」という概念は発生しないこととなります。

 すなわち「慰謝料」とは、不法行為によって人的損害が発生した場合に検討されるべきものですので、人身事故ではテーブルに載るべき交渉材料となります。

 また、損害賠償にも、事故がなければかかっていなかったであろう費用、例えば治療費であったり、事故現場からの帰宅費用であったり、休業に伴う休業補償であったりします。

 人身事故で死亡事故でない場合は、これらとも別枠で更に「後遺障害」に対する補償も用意されています。後遺障害が残らなかった場合はありませんが、多少重めの受傷をした場合、完全に身体が治癒しないことがあります。とくに身体機能に障害が残り、健常な動きが制約される場合、その制約を受けている部分について「後遺障害」に対する金銭的補償が用意されているのです。

 蛇足ですが、保証、保障、補償もすべて意味が違います。他人が他人への信用を担保する(責任を持つ)「保証」、傷害・被害に備えて保護をして損害が発生しないようにする「保障」、他人に対して損害を填補する「補償」と、微妙に違います。日本は同音異義語が多いですからね。

 治療費は、病院でかかったものだけですので、争点は「慰謝料」だけに絞られました。

 意識して120万円以下に抑えたわけではありませんが、理由を考えて逆算すると120万円弱にたまたまなったのです。

 あとは回答を待つだけです。「果報は寝て待て」と言われるがままに待ちました。そして待ちに待った郵便がポストの中に入っていました。

ポスト

 恐る恐る開けたものでした。

 回答が入っています。

 満額回答でした。

着地
着地

 早速、示談書に署名捺印をして返送、3営業日後に入金になっていました。損害保険って生命保険と違って入金がすごく早いです。払うとなったらすぐに手続きしてくれるサービスなんですね。

 次は「後遺障害認定」申請です。

木村カエラ「Butterfly」(Official Music Video) @kaela_official

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