通院
首は1週間程度でなんとか自力で座るようになりましたが、腰が日に日に悪化し松葉杖が必要なほどひどくなっていたのです。

朝起きるときに、仰向けになって起き上がれない。いったん横になって、左手で支えながら、右手は壁につかまりながら、腰に体重がかからないように起き上がる。ベッドでなければ、床に寝てしまうと起きかがることすらできなくなる。
まさしく寝ているときも大変です。仰向けのまま1分以上足を伸ばしていられない。横になって体育すわりのような恰好をして、腰の下に枕を置いて寝ざるを得ませんでした。母親のお腹の中で育つ赤ん坊の姿勢です。
靴下を履こうにも、いったん床に座り、昔で言う女座りですが(いまはジェンダーレスなので死語というか禁句でしょうか)、足を流すように座り、上の足を引っ張って引き寄せ、片手で靴下を引っかけるように履く。もう片足も、逆方向に流して座り片手で靴下を引っかけるように履く。
ズボンを履くときも、靴下の要領で片足ずつ引っかけるように履く。
杖では体重が載せられないので、松葉杖のほうが具合がいい。腰から足にかけてしびれてくると、松葉杖に両脇を載せて、腰に体重がかからないようにするとしびれが止まる。
エレベーターに乗るときのGがとてつもなく腰に負担がかかり、苦手でした。
椅子に座るときは背中が背もたれに寄りかかっていないと足がしびれてくる。
コルセットを処方されましたが、かなりお腹の出ている私はわざわざアメリカから取り寄せでした。国産のものはマジックテープが届かなかったのです。

そこで、電気治療、けん引治療、血管注射を毎日受けることになりました。営業でしたので、いったん外に出るとほぼ自由時間です。その日の都合に合わせて、必ず病院に行くルーティーンを繰り返します。毎日通いますので馴染みの看護師や理学療法士もできます。仲良くなって、彼らの休みの日に、市内で300g1000円のステーキを食べに行ったり、郊外の田舎づくりの茶屋にドライブしたり、夏は海でキャンプをしたりしました。海の家ではジョニーへの伝言が拡声器を使ってBGMとなっていました。

湿布薬もふんだんに処方され、痛み止めもロキソニンでは効かないためセデスGを処方してもらっていました。この薬は現在供給停止になっています。腎障害や膀胱癌の発生リスクが高いとわかったそうで2001年に供給が停止されました。約20年間供給されていたのに急に停止になり、この薬は飲んだ後に頭が一瞬フラーっとするような鼻に強い刺激臭がするのでなんか効いた実感がして、中毒ではないですが依存してしまう薬でした。かなり愛飲者がいたそうです。ロキソニンは胃に優しい鎮痛剤として今でも優秀な薬ですがさすがに腰の神経を圧迫する痛みには効きませんでした。どうしてもというときはボルタレンを処方してもらいました。
しかしながら、鎮痛剤は胃に来るので、飲みすぎますと。胃の入り口=噴門部に傷がついたのでしょうか。潰瘍ができたようで、水を飲むにも激痛が走ります。そんな時にセブンイレブンのチキンカツサンドなんぞ食べた日には、サンドウィッチに塗られている辛子が胃を直撃します。強烈な痛みです。
血管注射は一大事です。私は子供のころから肥満体質で、動脈硬化予備軍です。静脈もコレステロールがびっしり貼りついているのでしょう、注射針を刺そうとすると血管が逃げるらしいのです。ですから看護師さんは一発でなかなか針を刺せない。困るのは針を刺して血管が逃げて、刺したまま血管を追いかける看護師さんがいるのです。これはかなり痛いし、見てて気味のいいものではありません。子供のころそれで針を肘の関節付近の筋に刺さって脳天にフラッシュバックするような激痛がした記憶がよみがえるのです。腰のけん引と電気治療は、本当にこんなことで治るのだろうかと思いながらも実費がかからないのでとにかく毎日欠かさず通いました。都合6か月通い続けたのでした。

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