脱腸(ヘルニア)7 手術適用
高野総合病院は、市内中心部にほどちかい好立地にある民間病院です。実は耳鼻咽喉科からスタートしたこの病院は、院長の高野氏が徐々に外科、内科、放射線科を加えて市内有数の人気病院に押し上げました。

近年では国内でも数少ないガンマナイフによる治療に注力し、多くの脳腫瘍や脳血管病変による治療を望む患者が訪れます。低侵襲の治療を目指す理念から、開腹手術も腹腔鏡下手術を得意とし、患者の負担をより少なくできるよう、患者に合わせた治療方針を遂行します。
受付を済ませて、診察室に入ります。30代後半から40代前半ぐらいの若い外科医でした。
事情を話して、できれば日帰り手術を希望する旨を訴えます。お腹を診て、前回の腹腔鏡手術の穴を確かめて、「この傷が破れたのかあ」「穴は3cmくらい」「戻らない」と何点か確認して、

医「手術適用ですね。塞ぎましょう。」
医「日帰り手術でもいいんだけど・・・。」と話し始めました。
医「いいんだけど、痛いよ!」「できれば一泊ぐらいした方が無理して帰って家でのたうち回るよりも、安定して帰ったらどう?」
この医師は、日帰り手術に対して全く臆してないことが判ります。
いったい、他の病院ではなにを心配しているのだろうかと思うくらい、普通にできると言い切ります。イケイケの先生でした。わりと美形でもあります。
しかし、短い言葉でしたが、日帰り手術を考え直す端的な言葉で、私の会社を休みたくないという小さな野望は捨てることにしました。
自「お願いします。」「その一泊コースで」
医「そんなコースは作ってないけど、大丈夫だよ。」「痛いよ?」
かなりノリのいい先生です。
手術の日を翌月、年明けの1月4日と決めました。看護師さんから手術の心得など説明を聞きましたが、この病院では立会人のことはなにも言われませんでした。
次の日に会社に出社し真っ先にしたことが、高額療養費制度の限度額適用認定証の請求を人事部にお願いすることから始めました。高額療養費は、医療費の自己負担額が一定金額以上になったときに、その差額をあとから健保から払い戻しされる制度なのですが、それでも一時的に医療費を立て替えなくてはいけなくて、さらにその払い戻しが数か月後になりますので、約3か月くらいしんどい思いをしなければなりません。しかし、限度額適用認定証があれば、窓口で健康保険証と一緒に出しておけば、払い戻し相当額を除く自己負担額だけ支払えば、あとは健保の方で精算してもらえる制度です。

人事部からの連絡で4日後には手元に届くとのことで一安心です。
今の会社は平日が火曜日・水曜日が定休日ですので、通常の休み中に手術を受ける計画です。うまくいけば何事もなかったかのように仕事を続けることができる見込みでした。
年末年始は12月30日~1月3日までの5連休です。いつものように大みそかの日に市内で一番のデパートのB1で、大量のごちそうを買い、レジで18,000円ですとの店員の声に衝撃を受けながら渋々支払いをし、晩ごはんはお寿司と焼肉と、年越しそばにエビの天ぷらといった超御馳走を食べながら、NHK交響楽団の第九と、21時から始まるオペラを観て、ゆく年くる年で年を越したことを知る。





今年の最初の番組は桑田佳祐の歌から始まります。
元旦は夜のウィーンフィルハーモニー管弦楽団の恒例のニューイヤーコンサートと、相棒スペシャル以外はあまり面白い番組もなく、朝起きてまず鰹節と本海苔だけで作る雑煮で日本人であることの幸せを感じ、市内で一番大きな護国神社に初詣に行く。

いつもと変わらない新年でした。
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