番外編 無尽その1
クレジットとは内容が違いますが、お金の話つながりで無尽について一考します。
無尽というのは、今では九州、沖縄、一部の中部や東北くらいしか残ってないのではないでしょうか。

何人かが集まって、一定額を出資し、取り決めた方法で決まった人に全額集まる仕組みのものです。会員は、1巡目の全期間の内で1回は必ず資金を受領できるので会員間の公平性を担保がされており、すべての会員が一巡して終了となります。その後も同じように繰り返すものです。
たとえばこれが大規模になると、宝くじみたいなものになるとイメージしてください。 この無尽は、一種のハイリスクハイリターンの貯金のようなものとして理解されていたようです。
無尽は現存する小規模なシステムですが、これに似たシステムとして連鎖講があります。
これは一人が出資し講を始め、その一人が別の会員を募り、その会員(子会員)に出資させ、その子会員が別の会員(孫会員)を募り孫会員に出資させ、と、出資の連続性を持たせて、一定の会員を集めたところで配当をもらえるという仕組みです。
金銭だけの取引はかなりリスクが高く、世代が増えるにつれ、期待通りの出資が得られなくなると破綻しますので、このような連鎖講を無限連鎖講と言いますが、いわゆる『ねずみ講』とも呼ばれ法律で禁止されています。
配当を得られなかった人は、出資しただけ損になるからです。
経済も、本質は流通の連続ですので、このような無尽や連鎖講のような金銭だけの取引だと、負の部分の性質が強すぎて、世間では危険視されています。
でも、なんとか所得を得たい人が考えに考え抜いて、配当を得られずとも、対価を払う価値があるものとして満足を得られれば、合法になるというものを見つけ出しています。
たとえば、ある化粧品会社会員はまず商品を買い、自己消費します。
自己消費で満足を得られれば、人は他人に教えたくなるもの。
そこで、他人にこんないいものがあると教えます。
その他人は気になってちょっと試してみようとお試しセットを買います。
そんな他人が増えて、またその他人が別の人に教える。
それが数百人規模になると、化粧品会社は最初に使用した人に謝礼を払うようになります。
次のステップは、教えられた人が数百人分を一気に買うのです。
その場合、一人でもそんな人がいたら、化粧品会社はやはり最初に使用して、その他人に教えてくれた人に謝礼くらい払いたくなるものです。
それを「ロイヤリティー」と呼んで、それを目標にみんな頑張るのです。
このような形の取引は「無限連鎖取引」と認識されています。
”製造者から問屋、仲立人が仕入れ、販売事業者に卸す””
という視点からは、無限連鎖取引となんら形は変わりません。
なにが違うかというと、SNSや路上での通りすがり、飛び込み営業などでまったくその気のなかった相手に対して、社名や目的を告げずに参加を勧めたり、相手が断っているのにしつこく勧誘して、さらに、契約時に交付が義務づけられている書面を渡さないことにより、フェアではないことが指摘されています。いわゆるだまし討ちです。

自ら事業を起こして、一儲けしようという心がけすらない相手に、いきなり40万円分の商品をクレジットを組ませて買わせて、これを売ればいいんだよ、さらにその40万円分を仕入れる子・孫会員を掴めば、子や孫の成績にバックマージンが入るといいことだけ伝えて勧誘していく手法なのです。だいたいこれに乗る人たちはお金に困っている人なので、すぐ儲かっている自分がイメージができて、本当は自分に営業力などないのに会員になってしまうようです。
2022年10月に、このいきすぎた勧誘に対して親会員が特商法違反容疑で逮捕され罰金の略式命令となり、母体企業が特定商取引法違反で6か月間の取引停止命令という行政処分を受けた事件がありました。
ファイナンスというのはこのような人を騙して、脅して儲けるものではなく、お互いがWinWinで殖やすことを目指します。もちろん市場原理では、儲ける人がいれば損をする人もいますが、すくなくともこれは駆け引きです。その都度の判断の積み重ねでプラスになる人と、マイナスになる人が発生するもので、騙しているわけではありません。
このことをご理解いただきたいと思っています。
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